【特定技能】自社支援への切り替え手順|必要な届出2つと書類・期限を解説

特定技能外国人の支援を登録支援機関への委託から自社支援へ切り替えるときは、「支援委託契約の終了に係る届出」と「支援計画変更に係る届出」の2つを、委託契約が終わった日から14日以内に出入国在留管理局へ提出します。

大まかな流れは「委託契約の終了日を決める → 支援計画書を作り直す → 本人に説明する → 2つの届出を出す → 自社で支援を始める」の5ステップです。この記事では、出入国在留管理庁の資料をもとに、各ステップでやることと必要書類、期限に遅れそうなときの対応、切り替え後に続く届出までを順番に説明します。

自社支援の要件や支援業務の内容そのものは「特定技能の自社支援|必要要件と支援業務の内容」で詳しく解説しています。

自社支援への切り替えに必要な届出は2つ

登録支援機関に支援の全部を委託していた企業が、契約を終えて自社で支援する場合、出入国在留管理庁は次の2つの届出が必要だとしています。

自社支援への切り替えに必要な届出2つの図解。委託契約の終了日から14日以内に、支援委託契約の終了に係る届出(参考様式第3-3-2号)と支援計画変更に係る届出(参考様式第3-2号)を、管轄の地方出入国在留管理局・支局へ提出する
届出何を知らせるか届出書
支援委託契約の終了に係る届出登録支援機関との支援委託契約が終わったこと(終了年月日・終了事由)参考様式第3-3-2号
支援計画変更に係る届出支援を自社で行う内容に支援計画を変えたこと参考様式第3-2号+変更後の支援計画書(参考様式第1-17号)+特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)

どちらも「随時届出」と呼ばれる届出で、提出するのは受入れ企業(特定技能所属機関)です。登録支援機関が代わりに出す届出ではありません。

片方だけでは手続きが終わりません。委託契約を終えると支援計画に書かれた支援の実施者も変わるため、支援計画変更の届出がセットで必要になります。

切り替え前に確認する3つのこと

届出の前に、次の3点を確認しておきます。ここで不足が見つかると、届出を出しても自社支援を続けられません。

自社支援の要件を満たしているか

自社で支援するには、受入れ企業として支援体制に関する基準を満たす必要があります。要件の一覧は「特定技能の自社支援|必要要件と支援業務の内容」で確認してください。

支援責任者・支援担当者を選べるか

登録支援機関との契約を終えた後は、自社の役職員の中から支援責任者と支援担当者を選び、支援計画書どおりに支援を行う必要があります。支援責任者・支援担当者には中立性などの基準があるため、誰を選ぶかは要件とあわせて確認します。

いつ切り替えるか

届出の期限は、委託契約が終わった日から数えて14日以内です。そのため、まず「委託契約をいつ終えるか」を決め、そこから逆算して準備します。

切り替えのタイミングに法令上の決まりはありません。支援が途切れる期間を作らないよう、委託契約の終了日と自社支援の開始日を同じ日にそろえると、届出の内容も整理しやすくなります(編集部の考え方)。

切り替えの手順5ステップ

自社支援への切り替え5ステップの図解。①委託契約の終了日を決める ②支援計画書を作り直す ③本人に翻訳して説明する ④2つの届出を出す(14日以内)⑤自社で支援を始め、記録を残す

①登録支援機関と委託契約の終了日を決める

登録支援機関に切り替えの意向を伝え、委託契約の終了日を決めます。契約書の解約・期間の定めを確認し、終了日までに登録支援機関が行う支援と、自社が引き継ぐ支援の記録や連絡先を整理しておきます。

②支援計画書を作り直す

支援計画書(参考様式第1-17号)の「Ⅲ 登録支援機関」欄の情報を削除し、「Ⅱ 特定技能所属機関」欄に、自社で支援する場合に必要な情報を書き入れます。

届出に添付する支援計画書は、全ページそろえる必要はありません。出入国在留管理庁のQ&Aでは、変更したページと末尾(機関名称、作成責任者の氏名)のページを提出すればよいとされています。自社支援にする場合は、「支援の中立性を確保していること」の有無も選択します。

あわせて、特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)も用意します。出入国在留管理庁の提出資料一覧表では、委託を終了して自社支援を行う場合、支援計画変更の届出に支援計画書と概要書の両方を添付することになっています。

③特定技能外国人本人に変更内容を説明する

変更後の支援計画書について、本人の署名は不要です。ただし、本人が十分に理解できる言語に翻訳して渡し、何が変わるのかを説明します。

説明では、たとえば次の点を伝えておくと、切り替え後の相談先で迷わせずにすみます。

  • 切り替えの日付
  • これからの相談窓口(支援担当者の名前と連絡方法)
  • 定期面談を誰が行うか

(上の項目は編集部の例です)

④2つの届出を14日以内に出す

委託契約が終わった日から14日以内に、「支援委託契約の終了に係る届出」と「支援計画変更に係る届出」を提出します。提出先は、会社の住所(法人は登記上の本店所在地)を管轄する地方出入国在留管理局・支局です。

委託契約の終了日と支援計画の変更日がずれる場合は、それぞれの日から14日以内に届け出ます。

届出は事由が生じてから出すものです。まだ来ていない日付を「終了日」として先に届け出ることはできません。

⑤自社で支援を始め、記録を残す

切り替え後は、支援計画書に書いたとおりに自社で支援を行います。定期面談や相談対応などの支援を行ったら、その内容を記録して保管します。切り替え後に続く届出は、次の章で説明します。

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必要書類チェック表

書類用途ポイント
支援委託契約の終了又は締結に係る届出書(参考様式第3-3-2号)委託契約が終わったことを届け出る・終了年月日と終了事由を記載
・記載しきれない場合は別紙(参考様式第3-3号(別紙))が用意されている
支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)支援計画を変えたことを届け出る対象者が複数なら別紙(参考様式第3-2号(別紙) 支援計画変更に係る届出書(別紙))を使える
1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)変更後の支援計画を示す・変更したページと末尾のページでよい
・支援内容(実施予定を含む)が同じ対象者は、「Ⅰ 支援対象者」の氏名欄を「別紙のとおり(ほか○名)」としてまとめて作成できる
特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)自社の概要を示す・自社支援に切り替える場合は提出必須
・「4 中長期在留者の受入れ実績等」の記載内容に応じて、「受け入れた中長期在留者リスト(参考様式第1-11-2号)」「生活相談業務を行った中長期在留者リスト(参考様式第1-11-3号)」、生活相談業務の経験を証する書類の添付も必要(様式の注記に従ってください)
身分を証する文書等提出者の確認窓口では提示、郵送では写しを同封
その他の資料変更内容を証明する届出内容によっては、追加の資料を求められることがある

提出方法は3つです。

  • 窓口:管轄の地方出入国在留管理局・支局(空港支局を除く)。平日9時〜12時、13時〜16時(手続によって曜日や時間が異なる場合があります)。
  • 郵送:封筒の表に朱書きで「特定技能届出書在中」などと書く。期限内に到着している必要があり、消印では間に合いません。
  • インターネット:出入国在留管理庁の電子届出システム。事前に利用者登録が必要です。

様式は改定されることがあるため、提出前に出入国在留管理庁の提出資料一覧表と届出ページで最新版を確認してください。

スケジュールの例

時期やること
終了日の1〜2か月前要件の確認、支援責任者・担当者の選任、登録支援機関へ連絡。インターネットで届け出る場合は電子届出の利用者登録
終了日の約1か月前終了日を合意、引き継ぐ記録の整理、支援計画書の修正
終了日の前まで本人へ翻訳した支援計画書を渡して説明
終了日(=自社支援の開始日)自社で支援を開始
終了日から14日以内2つの届出を提出(郵送なら到着日で判断)

(編集部作成の例です。準備期間は会社の体制や人数によって変わります)

14日を過ぎそうなとき・過ぎたとき

14日を過ぎても、届出は提出できます。その場合は、速やかに提出し、遅れた理由を説明する文書を必ず添付します。

一方で、届出をしなかったり虚偽の届出をしたりすると、一定期間、特定技能外国人を受け入れられなくなる場合があるほか、罰金や過料の対象になる可能性があります。間に合わないと分かった時点で、遅れても出すことを優先してください。

切り替え後に続く届出と記録

随時届出

雇用契約の内容が変わった、退職した、支援計画が変わったなど、届出の対象となる事由が起きたときは、そのたびに14日以内に届け出ます。支援担当者が変わった場合も、支援計画変更の届出が必要です。

年1回の定期届出

受入れ・活動・支援の実施状況は、年1回の定期届出で報告します。対象期間は4月1日〜翌年3月31日、提出期間は翌年4月1日〜5月31日です。自社支援の場合は、受入れ企業が提出します。

以前は四半期ごとの届出でしたが、現在は年1回になっています。古い情報のまま準備しないよう注意してください。

支援の記録

支援の実施状況は定期届出で報告するため、面談や相談対応の記録を日ごろから残しておきます。

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よくある質問

一部の支援だけ登録支援機関に残すことはできますか?

できます。支援の全部の委託から一部の委託に変える場合は、「支援委託契約の終了に係る届出」と「支援計画変更に係る届出」が必要です。一部委託の契約そのものは、支援委託契約の届出の対象になりません。

ただし、定期面談は一部委託できません。自社で行う必要があります。

自社支援がうまくいかなければ、委託に戻せますか?

戻せます。登録支援機関に支援の全部を委託し直す場合は、支援計画変更に係る届出と、新たな支援委託契約の締結に係る届出を出します。支援計画変更の届出には、委託先の登録支援機関の概要書や、支援責任者・支援担当者の履歴書などを添付します。これらの書類は委託先から受け取ります。

届出書の作成を外部に頼めますか?

報酬を受けて届出書の作成を代わりに行えるのは、行政書士または弁護士です。それ以外の人に委任すると行政書士法などに抵触するおそれがあり、適正な届出として扱われない可能性があります。依頼した場合は、委任関係を示す委任状を提出します。

まとめ

  • 登録支援機関への全部委託から自社支援へ切り替えるときは、「支援委託契約の終了に係る届出」と「支援計画変更に係る届出」の2つが必要です。
  • 期限は委託契約が終わった日から14日以内です。郵送は期限内の到着が必要です。
  • 支援計画書は「Ⅲ 登録支援機関」欄を削除し、「Ⅱ 特定技能所属機関」欄を書き直します。特定技能所属機関概要書も添付します。本人には翻訳して説明します。
  • 切り替え後は、随時届出と年1回の定期届出を自社で行います。

まずは委託契約の終了日を決め、そこから準備を逆算してください。自社支援への切り替えの進め方や受入れ体制に不安がある場合は、こちらからご相談ください。